← もどる

応挙の幽霊

おうきょのゆうれい

別名 · 幽霊の酒宴

怪談古道具屋座敷肩すかし軽い

掛け軸から出てきた女を、座敷の酒が迎える。怖さは、杯の音にまぎれていく。

情景

若旦那の座敷。墨の女、燗酒の匂い、巻いた掛け軸の軸先。

登場人物

あらすじ

  1. 古道具屋が、応挙のものと伝わる幽霊画の掛け軸を若旦那へ持ち込む。
  2. 若旦那は絵に惹かれ、掛け軸を家へ迎える。
  3. 夜の座敷に、絵の中の女が現れる。足のない姿が、こちら側の畳に立つ。
  4. 若旦那が身を引くより先に、女の言葉と酒席の調子が座敷を満たしていく——。

みどころ

聴くとき

幽霊が出たあとも崩れない会話。怖がる間と、杯を置く間を聴く。

結末

  1. 幽霊は座敷の酒の流れに入り、若旦那らとやり取りを続ける。
  2. 宴がひとしきり続くと、幽霊は掛け軸の中へ戻る。
  3. 絵の中へ帰った幽霊は、そのまま寝入ってしまう。

オチ

異界から来た幽霊の帰り先が、退治の場でも墓でもなく、元の掛け軸になる。しかも寝入りまで人間の客と同じで、怪談と酒席の始末がずれる。

サゲ

幽霊が掛け軸へ戻り、そのまま寝入る。

酒宴の参加者やサゲの言葉には口演差がある。ここでは、絵から出た女幽霊が酒席に入り、掛け軸へ戻って寝る本線を採用。講談の『応挙の幽霊画』とは筋が異なる。

ほかに