おうきょのゆうれい
別名 · 幽霊の酒宴
掛け軸から出てきた女を、座敷の酒が迎える。怖さは、杯の音にまぎれていく。
若旦那の座敷。墨の女、燗酒の匂い、巻いた掛け軸の軸先。
幽霊が出たあとも崩れない会話。怖がる間と、杯を置く間を聴く。
異界から来た幽霊の帰り先が、退治の場でも墓でもなく、元の掛け軸になる。しかも寝入りまで人間の客と同じで、怪談と酒席の始末がずれる。
幽霊が掛け軸へ戻り、そのまま寝入る。
酒宴の参加者やサゲの言葉には口演差がある。ここでは、絵から出た女幽霊が酒席に入り、掛け軸へ戻って寝る本線を採用。講談の『応挙の幽霊画』とは筋が異なる。